topimage

2017-05

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6月の花 - 2015.05.24 Sun


晴れもせず雨も降らず
部屋からのぞく限り 風はたぶん冷たい

6月の庭のため
あたしの雨のため
商店街の外れの花屋で
梔子の鉢植えを買った
おしゃれもウワサばなしも
あたしの庭には不釣り合い

沈黙を湛えた白い花
人も出たがらない雨の日に
無口のまま お話ししましょう

ついたちになると
否応なしに思い出すので
まだ
しょんぼりしてた
あなたを思い出すので

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特別らしい人 - 2015.05.22 Fri


君にも朝はくるのか
それは誰の朝なのだ

眼をひんむいて捲し立てる口には扉がない
その高嗤いの下に誰を踏んづけているのだ
人気者が思いのほか伸び悩むので 
自虐と自慢の振り子の暗示
あらら掛かっちゃうひとがいるんだ
だけど彼らは使い捨ての道具
なので決して満ちることがない

「あたしは真ん中にいるひと」
そうぞどうぞ
見えないくらい

「あたしは上にいるべきひと」
どうぞどうぞ
届かないくらい

「あたしは特別なひと」
なにそれ
それって
おいしいの?

なにそれ
そもそも
君だぁれ

ゴ、ガ 、ツ、 - 2015.05.03 Sun


おまじないでもするように
ゴガツ

自分の鼓膜にだけ響かせると
飼いならされた風景はみるみるうちに

ほら
木を洗う陽光
葉を透かし つま先に遊ぶ影
髪を梳き耳打ちする風の
まるで初めてのような錯覚をゆるし
空は透明の輝きを増しどこまでも

ほら
ぼんやりだった風貌が
眼を瞠るように くっきり
感情は目指すコイル状の不意とキヲク
で、シナプスの音のない花火
道に置かれた新譜または懐メロのような人と風

ちやほやされるゴガツの
息を深く吸い込んだとき
空に向けて目を閉じたあいだの

まじない

そこには、
あたしの善き願いと
けっして喋らせない沈黙の
同時にあっても
許される一瞬がある







ウミノウタ - 2014.12.22 Mon


海は
空の
水死体
こんなにきれいな水死体
死に続けて生きている

どこか遠くの惑星が
膨らみすぎてポンと割れ
その知らせに
光も届かぬ海底で
砂粒ひとつ
ふと
転がる

いま来て
そして直ぐ逃げてった波のなかに
その様子が語られて
え?と聞き返すように耳を傾げて
深さの深さに潜ってく
  ほ  し
この地球で
いちばん重たげな粒の音
それらを覗きこんでいる宇宙
自らの時の過去

そうやって
海は
空を
ほどいてく




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あめのちくもりところどころはれ - 2014.10.21 Tue




雨が降った
雨が止んだ
にわかに取り戻した光の賑わい
喜びに意味はないけど
理由だけはよこたわる
あたしの歩く景色に深みが増し
そして風の
ごく自然に

ごく自然に
全てに完璧
全てに不完全
そうである揺るぎなさ
そのさま

そのさま
人のこころを曇らす
こころに雨を降らす
こころが晴れ晴れ
こころはすでに借り物
こころのまま

まま
あたしは歩く
あたしは立ち止まる
不自然に
そのさま
こころのまま




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