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忘れがたき風景 - 2012.05.25 Fri
晴れたら晴れたでどこか遠く
追いかけないと離れていく景色のようで
もうそんな必要もないけれど
ずっとまえからそういう人だったように笑ってみせる
*
雨が降ると子どものころを思い出す
あの尋常ではない退屈さに切なくなる
窓の木枠は染みこんだ雨で柔らかく
木目にそって爪を立てていた
雨に対する恨みがましい気持ちは
大人になってから誰かに感じる悪はなく
たわいも無いひとり遊び
やがてその家を離れるとき
生まれ育った隅々に持ち運べない感傷をみる
あんな小さく柔らかい爪が
どれだけの年月を要したのか
木枠を彫刻したことに気づく
削られた溝は優しく柔らかく毛羽立って
猫よりずっと芸術的だ

あのころ抱いてた感情は
忘れがたき友である